2008年08月10日
“考える言葉シリーズ 統率 ”
統率
あなたの部下は、あなたからの「指導や命令」をどのように感じ、受けとめているのだろうか。
経営人間学講座では毎年、「孫子」を題材にした講義があるが、「孫子」にいう「統率・統御・指揮」の関係について、次のような解釈の説明があった。
「“統率”とは、統御と指揮が揃い踏みした状態をいうのです。統御とは、部下のやる気を引き出し(内発的動機づけ)、自己責任に対する強い自覚を持たせることによって生じます・・・・・。上司から指導や命令されることが、部下にとって何よりも嬉しい、楽しい、快適だという心理状態です。それを“統御された状態”というのです」
つまり、上下相互の信頼関係があってこそ(統御)、指導や命令(指揮)が有効に働き、組織の結束力(統率)が生まれるという。“統率”の前提として、とりわけ、“統御された状態”をいかにしてつくるかという点で、上司の力量が問われよう。
この点については、「権限受容説」(命令を受け入れるかどうかの決定権は部下が持っているという考え方)を唱えたチェスター・バーナード(1886〜1961年)の見解を参考にしたい。氏は、次の場合に権限は受容されるとしている。
? 命令が理解できること(わけの分からないことが多く、信頼されていない上司だと受容されるのは難しい)
? 組織の目的と命令が一致していること(理不尽で、理念と矛盾するような命令は受容されない)
? 個人の目的と両立すると信じられること(日頃から部下とのコミュニケーションを図り、個人の価値観を理解しておくこと)
組織とは、協働行為の体系である。であるならば、誰もが協働行為による何らかの成果を期待して、当然である。すなわち、上司はつねに成果に目を向けた“統率”を心掛けるべきであろう。全体で共感・共鳴できる成果とは何か。それは何を為せば、実現可能なのか。
そのためには、バーナードも組織の成立条件としてあげているが、リーダーは常に?共有すべき目的を熱く語り、?メンバー全員の貢献意欲を駆り立て、?全体を通しての不断のコミュニケーションを推進すべきだと考える。
もちろん、組織を構成する一人ひとりの主体性は必要不可欠であるが、“統率”は究極のところ、上に立つものの力量に左右されるものだ。力量とは、その人の価値観の高さ(統合の価値観)であると考える。
“統率”は、上下の統合関係(統御された状態)において、本物である。
関連参考記事:“考える言葉シリーズより リーダーとは誰か”
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深い洞察である、考えさせられる
読み返すたびに、新しい気付きがある
奥が深い






